イハラ トモアキ
IHARA Tomoaki
井原 奉明 所属
国際学部 英語コミュニケーション学科
文学研究科 英米文学専攻 博士前期課程
文学研究科 文学言語学専攻 博士後期課程
職種
教授
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2017/04 |
形態種別 | 大学・研究所等紀要 |
査読 | 査読あり |
標題 | Langacker による主観性に関する視点構図への批判的検討 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 学苑 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 昭和女子大学 近代文化研究所 |
巻・号・頁 | (918),100-119頁 |
著者・共著者 | 井原奉明 |
概要 | 認知言語学における主観性の問題について先駆的に取り組んでいる一人がラネカーである。ラネカーは認知される事態を、概念化する話者がどのような視点から捉えるかについて「視点構図」という理論的枠組みを考案し、主観性の問題を発展的に考察している。彼の「視点構図」は時代と共に変化していきているが、本論文においては初期のモデルに従い(現在まで続く骨格はすでに初期のモデルにおいて示されているため)、彼の「視点構図」を概観する。そして、7点の問題点を指摘し、批判的に検討している。その問題点とは「主客二元論に基づくラネカーの知覚モデルは適切か」「一人称のゼロ形はラネカーの displacement という視点構図で説明が尽くされるのか」「概念化・言語化する主体を言語表現上明示するかどうかは単なる共時的対立なのか」「グラウンディングされる主体の場所化をどのように考えるか」「一人称のゼロ形の意味はカジュアル、インフォーマルなのか」「役割名称や固有名詞は三人称なのか」「再帰代名詞を考察すべきではないか」の7点である。筆者は、ラネカーの「視点構図」においてはこれらの問題点を解決することができていないこと、これらの問題点の解決には対案である池上の「主観的把握/客観的把握モデル」や中村の「Iモード/Dモード」といった枠組みの方がより優れていることを論証している。最後に、問題点の筆頭にあるような、主客二元論を超える存在論と言語の問題について、どのような方向で検討をすべきなのかを論じている。 |