オオバ ミワコ    OHBA Miwako
   大場 美和子
   所属
人間文化学部 日本語日本文学科
 
文学研究科 言語教育・コミュニケーション専攻 博士前期課程
   職種
准教授
発表年月日 2023/03/18
発表テーマ 特養入居者とスリランカ人技能実習生のかみ合わないやり取りの分析
発表学会名 社会言語科学会第47回大会
主催者 社会言語科学会
学会区分 全国学会
発表形式 口頭(一般)
単独共同区分 共同
開催地名 東京国際大学 第2キャンパス
開催期間 2023/03/16~2023/03/18
発表者・共同発表者 大場美和子・吉田輝美
概要 本研究の目的は、特別養護老人ホームにおいて、入居者とスリランカ人技能実習生間で発生したかみ合わないやり取りに着目し、その特徴を、実際の就労場面の収録データから明らかにすることである。調査は、特養の早番勤務の実習生2名(20代女性、2018年来日)にICレコーダーを装着して音声を収集し(計10時間)、調査者2名が参与観察を行った(2020年11月)。分析では、入居者の何らかの非優先的応答に相当する発話を含む談話を「かみ合わないやり取り」として抽出し(60談話)、各談話における入居者の発話を帰納的に3分類(①拒否・否定、②不満表明、③独語・奇声)した。分類の結果、1つの談話に①~③の発話が複数出現しており、日常的にかみ合わないやり取りが繰り返され、介護従事者の連続して対応する必要がある実態が明らかになった。また、①~③の入居者の発話には和らげの表現がほぼ観察されず、介護従事者の心理的負担の大きさが考えられた。ただし、実習生は、入居者の発話の内容が合理的ではなくても、基本的に入居者の意向に合わせた対応を行っていることが明らかになった。