ヤマダ ナツキ
YAMADA Natsuki
山田 夏樹 所属
人間文化学部 日本語日本文学科
近代文化研究所 所属教員
職種
専任講師
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2014/03 |
形態種別 | 大学・研究所等紀要 |
招待論文 | 招待あり |
標題 | 「父」とカタストロフ―伊坂幸太郎「終末のフール」における「生々し」さの様相 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 学芸国語国文学 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 学芸国語国文学会 |
巻・号・頁 | (46),318-327頁 |
概要 | 所謂〈エンターテインメント〉の枠組みで捉えられてきた為に殆ど論じられてこなかった伊坂幸太郎「終末のフール」に注目し、それが実際には、戦後から世紀末を経て2000年代に至るまでの時代の変遷を描出する「生々しい話」となっていることを論じたものである。本作では、小惑星衝突による「地球滅亡」という、一見「映画」のような荒唐無稽な構図が提示されるが、そこで衝突ではなく、長い時間をかけて小惑星が徐々に迫り来る状況を描くあり方が、地下鉄サリン事件(1995年)、同時多発テロ事件(2001一年)などに見られるように、「映画」のような〈虚構〉が〈現実〉を覆い尽くす現代のあり方を体現するものであると同時に、その上で、実際には「映画」のように直ぐに破滅が訪れるのではなく、徐々に「だらだら」と「下がって」いくしかないという状況自体をも、鋭く照射するものとなっていることを検証した。 |