フエキ ミカ
FUEKI Mika
笛木 美佳 所属
人間文化学部 日本語日本文学科
近代文化研究所 所属教員
文学研究科 日本文学専攻 博士前期課程
職種
教授
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2023/03 |
形態種別 | その他 |
査読 | 査読あり |
標題 | 遠藤周作文学における女性(博士論文) |
執筆形態 | 単著 |
概要 | 博士論文
書き下ろし作品を中心に進められてきた遠藤文学研究において、女性登場人物の研究は一部作品を除いて立ち後れている。そこで中間小説も広く参看し、遠藤文学において女性に何が託されてきたのか四部構成で明らかにした。 第一部では「理想とする女性」を「わたしが・棄てた・女」の森田ミツ、「女の一生 ・一部」のキク、「二部」サチ子を通して考察した。第二部では「共にある人」と題して、森田ミツを「おバカさん」のガストンと比較してその特徴を抽出し、どのような必要のもとに、どのような成り行きでミツが誕生したのか、またその後の変遷はいかなるものか明らかにした。さらに、男性を神に繋ぐ女性、「楽天大将」の朝吹志乃の人物造型にはグレアム・グリーンの影響が見られると論じた。第三部では、モデルのある歴史小説に〈愛〉の絶対性を読んだ。さらに妻、悪女について考察した。第四部「母なるもの」では〈母〉を論じた。遠藤と母の関係を確認した上で「影に対して」「母なるもの」「女」を取り上げ分析を試みた。 以上を通し、遠藤文学における女性に何にもまして託されていたのは〈愛〉の絶対性であったと結論づけた。 |