カラスダニ トモコ    KARASUDANI Tomoko
   烏谷 知子
   所属
人間文化学部 日本語日本文学科
 
文学研究科 日本文学専攻 博士前期課程
 
近代文化研究所 所属教員
 
文学研究科 文学言語学専攻 博士後期課程
   職種
教授
発行・発表の年月 1993/09
形態種別 単行本
標題 古事記の文芸性古事記研究大系8
執筆形態 共著
出版社・発行元 高科書店
巻・号・頁 175-199頁
著者・共著者 太田善麿・木村龍司・三浦佑之・斎藤静隆・関本みや子・榎本福寿・飯泉健司・烏谷知子・谷口雅博・尾崎富義・阿部寛子・遠山一郎・長野一雄・小島憲之・山崎正之
概要 著書全体の概要
昭和31年11月に平凡社から発行が開始された『古事記大成』全八巻以降の古事記の研究成果を発表するために、古事記学会が編集にあたった『古事記研究大系』全十二巻のうちの一冊である。どのように文芸的なるものにアプローチするか、という方法に関しその多様な視点の存在を示すことが本巻の目的である。担当部分の概要175頁~199頁「倭建伝承の文芸性」 古事記の中でも特に文芸性が高いと評される倭建命の伝承を取り上げ、その問題点を1.海と山の支配、2.火と水の伝承、3.景行天皇と倭建命の関係、の三つの視点から論じた。大和朝廷の武力征服の歴史的過程にあって、景行天皇の手足となって尽瘁した倭建命。人と神の世の内容が語られる中巻において、その軌跡は海と山の制圧の歴史であり、超人的な主人公の行動は、日継皇子という栄光を背負いながら死の陰影を次第に深めて行く。火と水を支配する英雄の東征は、犠牲と苦難の連続である。倭建伝承の文芸性は、父子の葛藤を背景に愛と苦悩の語りを織り交ぜながら、光と影の二面性をもって描いたところにある。