カラスダニ トモコ    KARASUDANI Tomoko
   烏谷 知子
   所属
人間文化学部 日本語日本文学科
 
文学研究科 日本文学専攻 博士前期課程
 
近代文化研究所 所属教員
   職種
教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2010/01
形態種別 大学・研究所等紀要
標題 沙本毘売伝承における心理表現と文学性
執筆形態 単著
掲載誌名 学苑
巻・号・頁 (831),1-13頁
概要 沙本毘売は古事記で唯一の女系の系譜をもつ女性として、垂仁天皇の后となる。同母の兄との紐帯と姫彦制に縛られ、沙本毘古の謀反の計画に加担するが、揺れ動く心情は垂仁天皇への告白を境に冷静な毅然とした態度に変貌する。沙本毘売の垂仁天皇への想いは「哀情」であり、哀は漢籍の例をふまえた喪失の悲しみを表す。垂仁天皇の后への想いは一貫して「愛」であり、私情に捕らわれているのは公の存在である天皇である。むしろ謀反に加担する沙本毘売の方が、兄に殉じることで姫彦制という旧体制を葬り去り、公を守ろうとする逆の描かれ方をしている。時代に翻弄される夫婦の細やかな感情表現や、結末を最後まで明かさない物語展開はすぐれた文学性を有する。