カラスダニ トモコ    KARASUDANI Tomoko
   烏谷 知子
   所属
人間文化学部 日本語日本文学科
 
文学研究科 日本文学専攻 博士前期課程
 
近代文化研究所 所属教員
 
文学研究科 文学言語学専攻 博士後期課程
   職種
教授
発行・発表の年月 1996/11
形態種別 単行本
標題 高市黒人ー注釈と研究ー新典社叢書19
執筆形態 共著
出版社・発行元 新典社
巻・号・頁 115-129頁
著者・共著者 近藤章・升田淑子・大越喜文・菊池威雄・大室精一・烏谷知子・森朝男・佐藤文義・近藤信義・竹尾利夫・尾崎暢殃第二部・論文編緒方惟章・尾崎暢殃・菊池威雄・佐藤文義・多田一臣・高橋六二・辰巳正明・橋本達雄・古橋信孝・吉村誠・大室精一・村瀬憲夫・景山尚之・高野正美・星野五彦・升田淑子
概要 著書全体の概要
万葉集中に少数の短歌のみを残した高市黒人。「生」のあわれさ・すべなさに潜み入り、省察する聡明さを持った彼の内面性は、現代人に通じるものがある。前編では現段階で到達し得た研究成果を摂取して注釈し、後編では黒人作品に関わる問題点に焦点をあて、集中有数の歌人である黒人を総合的観点から論じたものである。担当部分の概要115頁~129頁 高市黒人の騎旅歌二首(巻三ー274・275)を取り上げ、語釈・注釈を行い歌の問題を考察した。前歌では、茫漠たる湖面の暗闇に吸い込まれそうな旅行く者の寂寥と不安を、後歌は、日没を迎え勝野の原の闇に一人残される旅人の不安と恐怖を、自己存在の不安と人生の寂しさに交錯させて描いている。近代的な憂愁や苦悩を内包している黒人の叙景歌の、すぐれた叙情性について言及した。