ヤマダ ナツキ
YAMADA Natsuki
山田 夏樹 所属
人間文化学部 日本語日本文学科
近代文化研究所 所属教員
職種
准教授
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発表年月日 | 2021/07 |
発表テーマ | 他者化するジョー―「あしたのジョー」における語り・視点・食 |
発表学会名 | 昭和女子大学近代文化研究所公開シンポジウム テーマ「今なぜ「あしたのジョー」か」 |
主催者 | 昭和女子大学近代文化研究所 |
学会区分 | 研究会・シンポジウム等 |
発表形式 | 口頭(一般) |
単独共同区分 | 単独 |
発表者・共同発表者 | 他の発表者、喜夛孝臣、トミヤマユキコ
ファシリテーター、平野晶子 コメント、松田忍 |
概要 | 主人公・矢吹丈(ジョー)のライバル・力石徹の死後の「あしたのジョー」に注目したものである。それまでの「あしたのジョー」では、ジョーを通して仰ぎ見られる力石が、容易には理解できない底知れぬ存在として描写され、それが読者には、実在の人物のごときリアリティを伴うものとして受容された。力石死後は、代わってジョーが、丹下段平、白木葉子ら周囲の人物を通して見られる対象として描写されるようになる。もちろん力石と異なり、主人公であるため、ジョーの内面の吐露(自己規定)なども時折は為される。しかし、そうした段平、葉子や、自身による解釈でも説明のつかない存在として描写されているのが、力石死後のジョーなのである。それが、力石同様のリアリティを伴うものとして受容された。最後にジョーは、見続けてきた先、「あした」であった力石の地点にたどり着いたようである。その姿を見ることを通して読者は、その都度「あした」の意味を考えさせられていく。以上の構造分析を通して、「あしたのジョー」の現在性を論じた。 |