マキノ モトノリ
MAKINO Motonori
牧野 元紀 所属
人間文化学部 歴史文化学科
生活機構研究科 生活文化研究専攻
国際文化研究所 所属教員
職種
准教授
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発表年月日 | 2020/12/19 |
発表テーマ | 異人たちの島マルケサス―19世紀初頭ポリネシア島嶼世界の一断面 |
発表学会名 | 昭和女子大学文化史学会 第37回大会 |
主催者 | 昭和女子大学文化史学会 |
学会区分 | 研究会・シンポジウム等 |
発表形式 | 口頭(招待・特別) |
単独共同区分 | 単独 |
開催地名 | 昭和女子大学 オンライン開催 |
概要 | マルケサス諸島は今日のフランス領ポリネシアのなかで主島のタヒチ島から遠く隔たる島々で、最果ての地のイメージ持たれる。手垢のつかない自然と先住民の素朴な暮らしを追求した画家ゴーギャンの終焉の地でもある。
では、歴史的観点に照らしてマルケサス諸島をみた場合、これほどまでに外界から隔絶されてきたのかといえば、答えは否である。マルケサスに対して外の人間が抱くこうしたイメージは近代以降に形成されたものである。 先史以来ここはポリネシアの海上交通の要であった。無数の「異人」たちが到来し、異文化が出会い混じり合う舞台となった。マルケサス諸島は近代に入ってフランス本国の植民地政策がタヒチ島へ集中するまでは、辺境どころかポリネシア文化の原郷として確たる地位を占めていたのである。されてきたのかといえば、答えは否である。マルケサス諸島の孤絶化と周縁化は西洋諸国、とりわけフランスとの関係が強まることによって生じた近現代史上の事象なのである。このことを文献史学・考古学・人類学の各分野における先行研究の成果に依拠しつつ明示した。 |