ヒロタ タク    HIROTA Taku
   廣田 拓
   所属
全学共通教育センター
   職種
准教授
発表年月日 2023/11/25
発表テーマ <社会的なもの>の再編:Ni una menos運動の潜勢力
発表学会名 ラテン・アメリカ政経学会
主催者 ラテン・アメリカ政経学会
学会区分 全国学会
発表形式 口頭(一般)
単独共同区分 単独
開催地名 東洋大学白山キャンパス
開催期間 2023/11/25~2023/11/26
概要 本報告では、グローバル化による国家主権の相対化、既存の代表民主政への不信、リスクの個人化による寄る辺ない個人主義に直面する社会から、いかに社会的共同性を形成するかを考察する。21世紀の第一四半期に見られたアルゼンチンの社会運動(Ni una menos:「もうこれ以上一人の女性も失ってはならない」がアルゼンチンの政治や社会に及ぼした影響を事例に考える。この運動は、ソーシャルメディアを活用し、ネット上のプラットファームと既存のフェミニズム運動や諸個人を束ねる結節点として機能した。初期には、アルゼンチン社会にフェミサイド(「女性殺人」)という言葉や女性に対する暴力へ抗議活動で顕著な活動を示し、その主張や問題意識が国家・地域・トランスナショナルな連帯を生み出した。さらには、ジェンダー平等、女性の権利は人権である点の主張、議会における人工妊娠中絶の合法化の推進に努めた。以上のように、総じていえば、この社会運動は、活動を通じて現在進行形で新たな問題意識を掲げるとともに、社会の中で女性の権利や身体を守る一種の水平的な開かれた「コミュニティ」であり、同時に市民的公共性を有する「公共圏」の役割を果たしている。