フエキ ミカ    FUEKI Mika
   笛木 美佳
   所属
人間文化学部 日本語日本文学科
 
近代文化研究所 所属教員
 
文学研究科 日本文学専攻 博士前期課程
   職種
教授
発表年月日 2021/11
発表テーマ 「影に対して」を読む―母の〈影〉をめぐって―
会議名 長崎市遠藤周作文学館 第42回文学講座
主催者 長崎市遠藤周作文学館
国名 日本
開催地名 長崎市
開催期間 2021/11/13~2021/11/13
会議区分 その他
講演区分 講師
単独共同区分 単独
招待講演 招待講演
概要 「影に対して」は、不自然な設定をしてまであえて「影」を作りだし、勝呂が回想と母の知人への聞き取り調査を通して(=灯をかかげて)、「影」に対し(=対話・対峙)、みじめな〈生活〉の「影」となっていた母の〈人生〉をあぶり出していく。が、その行為を通して、勝呂は自身と母とでは生きている次元があまりに違いすぎることに気づいていく。母の「影」は峻烈な「光」となり、勝呂が「影」に堕してしまう。その一大どんでん返しを支えているのが、巧みな構成と季節の配置であった。 また、発表誌「群像」の「次號豫告」による検証、母の描かれ方の分析から、その執筆時期は「私のもの」より後、「影法師」より前と推定、意欲作で完成度は高いが、後の作品と比べると途上の感がある。