イトウ ミカ    ITOH Mika
   伊藤 美香
   所属
食健康科学部 管理栄養学科
 
女性健康科学研究所 所属教員
 
研究支援機器センター 所属教員
   職種
専任講師
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2010/03
形態種別 その他
標題 堂ヶ谷廃寺出土露金具内部の繊維について
執筆形態 単著
掲載誌名 静岡県埋蔵文化財調査研究所調査報告第219集 堂ヶ谷廃寺・堂ヶ谷経塚
出版社・発行元 財団法人静岡県埋蔵文化財調査研究所
巻・号・頁 150-152頁
概要 堂ヶ谷廃寺は静岡県牧之原市坂口字ドウガヤに所在する。堂ヶ谷川沿いの標高約70 mの中腹にあり、平野部から500 mほど奥まった地点である。堂ヶ谷川一帯に坊院坊舎が建ち並ぶの里山の信仰空間の一部であったと推測される。露金具は基壇四方に設けられた石組排水路の北面で出土した。この場所からは本露金具の他にも釘や寺院の荘厳に伴う飾金具と思われる小型の銅製品も数多く出土しているが、火災等により溶け出しており図化できないものも多かったと報告されている。その中で幸いにも遺物として残っていた露金物に束の状態で撚り詰め込まれていた繊維は、電子顕微鏡観察ならびにFTIR分析の結果、大麻であると考えられた。また、詰め込まれた繊維束の中心に緑青状の着色を認めたことから、蛍光X線で元素分析を行ったところ、主に銅が検出され、露金物内部に繊維を詰め込む際に、繊維束の中心に銅線を入れて挿入と考えられた。露金物内の繊維が極めて良好な状態で残存したのは、内側と外側から受けるCuイオンの影響で微生物等の腐食分解を受けなかった可能性も考えられた。