イハラ トモアキ
IHARA Tomoaki
井原 奉明 所属
国際学部 英語コミュニケーション学科
文学研究科 英米文学専攻 博士前期課程
文学研究科 文学言語学専攻 博士後期課程
職種
教授
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2010/05 |
形態種別 | 大学・研究所等紀要 |
標題 | 日本語における「もの」と「こと」の概念に関する研究 |
執筆形態 | 単著 |
出版社・発行元 | 昭和女子大学 |
概要 | 日本語における「もの」と「こと」という語を取り上げ、両概念の関係を明確にしながら、それぞれの概念規定を考察した。先行研究を十分に踏まえ、共時的な観点としての認知論的視点、通時的な観点としての精神史的視点の両方から考察を展開した。認知論的視点によれば、「もの」と「こと」の概念区別は外界に存在する客観的際に基づくのではなく、話す主体が発話に先んじて行う事態把握という営みに基づく。「もの」は輪郭のはっきりした有界性を持つ存在を表し、「こと」は輪郭のあいまいな無界性を持つ存在を表す。この共時的特性は汎時的性質をも示す。一方、通時的視点によれば、「もの」は、<生成する><他者>として把握される根源的存在から、<生成>の動きを経た後の<結果>として成り立った存在までを表す。その過程において「こと」は<秩序化>およびその結果としての抽象的な<秩序>を意味してきた。以上のような点を論じた上で、日本語話者およびそれを基盤をする日本文化が「こと」志向性を見せることを論証した。(博士論文) |