イハラ トモアキ    IHARA Tomoaki
   井原 奉明
   所属
国際学部 英語コミュニケーション学科
 
文学研究科 英米文学専攻 博士前期課程
 
文学研究科 文学言語学専攻 博士後期課程
   職種
教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2014/11
形態種別 その他
査読 査読あり
標題 複数事態把握とアスペクト盲の問題
執筆形態 単著
掲載区分国内
概要 哲学においては写像理論のように意味を客観世界に基づかせる考え方が伝統的であった。近年、認知言語学で取り上げられる事態把握は、言語的な意味が認知主体と客観世界との間の相互作用によって生まれるという考え方であり、「意味づけ」と「相互作用」という点を重視している。このような事態把握の考え方に基づき、アスペクトを考察する。1)ひとつのアスペクトにひとつの事態把握があり、その事態把握を人々が共有している2)複数のアスペクトに複数の事態把握があり、それらを人々が共有している3)複数のアスペクトに複数の事態把握があるが、人々がそれらの事態把握を共有していない、という3つの場合に分け、アスペクト盲の問題を考察する。1)と2)においては、<整合性>という観点から<正しさ>が引き出されるが、3)の場合、どれが<正しい>か決定することができない。さらに、複数のアスペクトに私たちそれぞれが気づいているのか、複数事態把握を私たち全員ができているかどうかもわからないのが、通常の状況ではないだろうか。だとすると、誰もがアスペクト盲の可能性があるのではないか、そこを出発点とするべきではないかと主張した。