フクダ ジュンコ    FUKUDA Junko
   福田 淳子
   所属
人間社会学部 現代教養学科
 
近代文化研究所 所属教員
 
生活機構研究科 福祉社会研究専攻
   職種
教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2020/09
形態種別 大学・研究所等紀要
査読 査読あり
標題 「火野葦平と向井潤吉――従軍がもたらしたもの」
執筆形態 単著
掲載誌名 学苑 近代文化研究所紀要
掲載区分国内
出版社・発行元 昭和女子大学近代文化研究所
巻・号・頁 (959),26-84頁
概要 火野葦平は従軍直前に脱稿した「糞尿譚」で第6回芥川賞を受賞、同年に日記体で書いた「麦と兵隊」でベストセラー作家となり一世を風靡した。近代作家としては最も長期にわたって従軍し、敗戦後は2年半近く文筆家追放指定を受けるが、解除後は作家として復活し、多くの作品を遗した。一方、火野よりも6歳年長の向井潤吉は,2年間のパリ修行後、洋画家として二科会で活躍、日中戦争開戦後は従軍画家として戦地に赴き、戦争画を制作するかたわら随筆集や挿絵を発表、敗戦後は行動美術協会を結成し、各地をめぐって古民家を描くことを生涯のテーマとした。火野と向井は、昭和12年、ほぼ同時期に一兵士として従軍した。戦争の激化とともに従軍作家・画家としての本分を発揮し、中国、フィリピン、ビルマ、インドなどの戦地に赴く。特にバターン総攻撃、インパール作戦で二人は行動を共にし、戦場での濃密な時間を過ごしたことはよく知られている。本稿では,従軍記者として日中戦争(第二次上海事変)から太平洋戦争にかけて戦争報道に携わった火野と向井について、先行文献を参照し、生涯と背景を概観、接点を確認することで二人の戦争体験とその意味を探った。