マツノ タカノリ
MATSUNO Takanori
松野 隆則 所属
人間社会学部 心理学科
生活心理研究所 所属教員
生活機構研究科 心理学専攻
職種
教授
|
|
言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2017/03 |
形態種別 | 大学・研究所等紀要 |
査読 | 査読あり |
標題 | 自伝的記憶の想起が感情状態・自己肯定感に及ぼす影響 |
執筆形態 | 共著 |
掲載誌名 | 昭和女子大学生活心理研究所紀要 |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | 19,59-69頁 |
著者・共著者 | ◎高橋美奈、松野隆則 |
概要 | 本研究の目的は、青年期の人々において自伝的記憶の想起が感情状態と自己肯定感に与える影響について検討することである。69名の女子大学生が授業内での実験に参加し、再生手がかりに関する3つの条件に無作為に割り振られた。自伝的記憶に関わる2つの条件の参加者は、中学・高校時代の「楽しかった」想い出、または「重要な」想い出を思い出すよう求められた。統制条件の参加者は、この一週間に着ていた服装を思い出すよう求められた。想起前および想起後に、感情状態と自己肯定感が質問紙により測定された。
想起の前後でポジティブ感情には有意な変化は無かったが、「重要な」想い出条件では「敵意」が有意に減少し、「楽しい」想い出条件では「抑うつと不安」の減少が有意傾向だった。「重要な」想い出条件では、「自己実現的態度」の増大と「自己閉鎖性」の減少として、統計的に有意な自己肯定感の向上が見られた。しかし、2つの自伝的記憶条件のどちらにおいても、想起の結果として「充実感」の低下が見いだされた。以上の知見に関する含意が、回想法の青年期への適用との関連において論じられている。 |