カラスダニ トモコ    KARASUDANI Tomoko
   烏谷 知子
   所属
人間文化学部 日本語日本文学科
 
文学研究科 日本文学専攻 博士前期課程
 
近代文化研究所 所属教員
 
文学研究科 文学言語学専攻 博士後期課程
   職種
教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2009/11
形態種別 単行本
標題 軽太子と軽大郎女伝承における禁忌の侵犯と歌謡物語の文学性について
執筆形態 共著
掲載誌名 青木周平先生追悼 古代文芸論叢
出版社・発行元 おうふう
巻・号・頁 198-211頁
著者・共著者 川上順子、溝口睦子、辰巳正明、飯泉健司、嵐義人、北野達、加藤清、神田典城、寺田恵子、坂根誠、舟木勇治、猿田正祝、松田信彦、壬生幸子、工藤浩、志水義夫、橋本雅之、荻原千鶴、谷口雅博、松本直樹、瀬間正之、多田元、西條勉、池田美枝子、藤原茂樹、及川智早、上野誠、鈴鹿千代乃、近藤信義他38名
概要 古事記の允恭天皇の時代は、外婚制から内婚制が確立する時期として描かれる。允恭帝と忍坂大中比売所生の皇子女は、通婚可能な異母兄弟が存在しないという特殊な状況にあり、兄妹相姦は予測される悲劇であった。古事記は主人公の心情や行動を表出する十首の歌謡を巧みに配列し、大和から泊瀬、伊予へと舞台を展開させることで「姦」を至上の愛の完結として結んでいる。軽大郎女は衣通王の名を与えられ、美貌と意志と行動力を備えたヒロインとして姦を純化し、事件を文学に変換する役割を果たしている。二人の姦には恥の概念や神意による変異は記されず、古事記上巻や中巻に記される兄妹婚の話形を越え、文学性を表出するものとなっている。